2026年6月27日
令和8年6月22日、当職が所属する東京司法書士会総合研修所専門研修室において、本年度第一回目となる専門研修会を開催いたしました。
今回は、司法書士であり認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンの遺贈寄付ご相談係マネージャーでもある榛田敦行(はりたのぶゆき)先生をお招きし、『遺贈寄付と司法書士実務 ~現場から学ぶ実務の要諦~』というテーマでご講義いただきました。当日は400人を超える受講者が集まり、大盛況のうちに終了いたしました。
近年、人生最後の社会貢献として、自身の財産を社会に役立てたいという方が増えています。しかし、相談先や寄付先の選定に悩む依頼者様も多く、専門家である司法書士がその意思を安全かつ確実につなぐ役割を担う重要性が増しています。
本研修は、司法書士とNPOマネージャーという二つの視点を持つ榛田先生だからこそ語れる、極めて実践的な内容となりました。
講義ではまず、遺贈の手法の違いや、寄付の際の注意点が整理されました。遺贈寄付における倫理観の重要性はもちろん、受遺団体は相続土地国庫帰属法を利用できないため、売却困難な不動産の対応には慎重な事前調査が必要であることなど、受遺団体の最前線だからこそ経験できるリアルなお話を聞くことができました。
特に受講者の注目を集めたのが、不動産などを法人に遺贈する際に発生する「みなし譲渡課税」の問題です。詳細な解説は割愛いたしますが、受遺団体と相続人との間でトラブル(これこそ、最も寄付者が避けたい事案です)が発生するリスクについての説明には、受講者の方々が特に真剣な眼差しを向けておられたのが印象的でした。
また、相談時に依頼者の動機を丁寧に聞き取って付言事項へ落とし込むことや、遺言作成時に受遺団体と事前協議を重ねることなど、実務における重要な要点が数多く提示されました。
遺贈寄付は、これからの相続実務において自然な選択肢の一つです。
その最初の相談窓口となりうる我々司法書士にとって、実務のポイントやトラブルのリスク、さらには遺贈寄付が持つ公益性の意味を深く理解できる、非常に学びの多い研修となりました。
素晴らしい講義を展開してくださった榛田先生、そして熱心にご聴講いただいた会員の皆様に、心より感謝申し上げます。
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