古い書籍の紹介です。
必ず見つかる 会社の目的「最新」事例集
商業登記研究会 編/日本加除出版株式会社
本体8,000円(税別)平成18年7月25日発行
株式会社を立ち上げる際、まず最初に行う登記は株式会社の設立登記です。
商号(会社名)や本店(住所)など色々と決めなければならない項目のうちどのような事業を行うのかを明示するのが「会社の目的」となります。
登記上、会社の目的は「何をもって事業とするか具体的に明示」することです。
例えば、経営コンサルタントを主な業務として行う場合は
「経営コンサルタント業務及び各種マーケティングリサーチ業務」、
少し方向性を広げて
「経営セミナーの企画・開催・運営」、
または少し専門性を加えて
「販売促進・新製品開発に関するコンサルティング業務」、
などを記載することが考えられます。
※もちろん3つすべてを登記することも可能です。
われわれ司法書士は、依頼者様がどのような事業を行うのか、将来どのような会社にしたいのか、ご相談を受け、その内容に沿った「会社の目的」を提示します。
会社の目的については、一定のルールはあるものの、現在はさほど細かい制約はありません。ただし、業種によって許認可の問題があったり、会社設立後の対外取引のことを考慮すると、安易に目的を定めることは少々危険です。
少し前の出来事ですが、設立して間もない会社の目的を全面的に変更してほしい旨の依頼がありました。
話を聞くと、会社設立後、口座を作りたいので最寄りの銀行へ会社謄本を提出したところ「何をしている会社か不明瞭である」との理由で断られたということでした。
どういうことだろう?とその会社の登記簿を見たところ、様々な業種の目的が無造作かつ漠然と羅列されており、銀行の指摘もやむを得ないような内容です。
なぜこのような登記をしたのか聞いてみると『インターネット上の会社設立登記サービスを利用した。目的については、よく考えもしないで、画面上で提示されたものをいくつかクリックした。』とのことでした。
昨今、マネーローンダリングや架空口座を使った犯罪行為などの影響で、銀行口座を作りづらくなっている状況もありますが、本件については、それ以前の問題のような気がします。
結局、その方から業務内容を詳しく聴取したうえで、それに沿った目的案を作成・提示し、時には意見を交えながら適切な目的を設定し、変更の登記を申請しました。
本書は、会社の目的を「農業」や「製造業」など業種ごとにそれぞれ分けて、その文例を一覧できるものになっています。巻末には事項別の便利な索引もついています。(例えば「リフォーム」で検索するとリフォームに関連する事例がどの頁に記載されているか一目でわかるようになっています。)
なお、本書の内容は、登記された会社の目的から抽出された情報で、あらゆる業務について網羅的に実際の目的事例が掲載されており、(前例があるというのは)実務家にとっては非常にありがたく、そして便利な書籍です。
表紙では「最新」を謳っていますが、残念ながら初版より刷新された様子はなく、もうすぐ発刊20年になります。
新しい業務や仕事の概念もここ十数年でだいぶ増えたはずです。ぜひ今後も見据えて改訂版を出していただきたい書籍の一つです。
以上、会社の目的と便利な書籍の話でした。
※注記 上記の目的の変更に関する話については、すべて事実であり、当人が利用したサービスおよび資格業者も把握しております。他者の商売を貶める意図はありませんが、依頼者が不利益を被るような無責任かつ不法な法的サービスについては、一切支持しておりません。
会社設立の登記に関しては司法書士にご相談ください。
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