先日、私が所属する東京司法書士会 総合研修所 専門研修室の令和8年度第3回目の企画として、会員向けの専門研修会を開催いたしました。
テーマは『“孤立”を防ぐ「身近なくらしの中の法律家」として~田代まさし&井上ケイが語る依存症のリアルと司法書士の役割』です
当日は日司連ホールでの生講義限定という形での開催でしたが、多くの会員の皆様にご参加いただきました。本当にありがとうございました。
近年、政府の「第2次再犯防止推進計画」等でも掲げられているように、薬物依存症等の回復支援においては、司法・医療・福祉・地域社会がシームレスにつながる“息の長い”支援ネットワーク”の構築が求められています。
われわれ司法書士は、登記や裁判の手続きを行うだけでなく、困りごとを抱えた方の「セーフティネット」として、また適切な支援機関へつなぐ「ゲートキーパー」として、社会の孤立を防ぐ重要な役割を担っています。
今回の研修では、まさに薬物依存症からの回復者とその支援者を招聘し、当事者のリアルな声と支援者としての現場からの視点を聴き、私たちが「法的防波堤」としてどうあるべきかを深く学びました。
第一部:田代まさし氏によるご講演
前半は、歌手・元タレントの田代まさし氏をお招きし、ご自身の体験に基づく「生の声」をお話しいただきました。過去の薬物使用から複数回の服役を経験された田代氏ですが、現在もダルク(※薬物やアルコールなどの依存症から回復し、社会復帰を目指す民間のリハビリ施設)に通われながら、同じ病で苦しむ仲間たちのため、講演や執筆など、様々な方面で精力的に活動されています。依存症という病気の恐ろしさ、回復に向けた日々の歩み、そして何より「孤立しないこと」の大切さ。当事者だからこそ語れるリアルな言葉の数々は、心に強く響くものでした。
第二部:田代まさし氏×井上ケイ氏 トークセッション
後半は、田代氏に加え、一般社団法人 Homie子ども未来育成会 代表理事の井上ケイ氏をお迎えしたトークセッションを実施しました。井上氏は、ご自身の壮絶な経験を経て、長年多くの出所者や非行少年たちに伴走されてきた民間支援のプロフェッショナルです。
セッションでは、再犯の背景に潜む社会からの孤立がいかに当事者を追い詰めるかという実態が浮き彫りになりました。
また同じ支援者としての立場から、過酷な相談現場に立つ司法書士自身の「メンタルヘルスケア」についても触れられ、支援者側が『持続可能な形』で寄り添い続けるためのお話もあり、大変有意義な学びの場ともなりました。
事後のアンケートでは、当事者や支援者の生の声を聞き、社会の孤立や依存症の実態、支援側の心構えを深く学べたという評価が多くを占めました。また普段聞くことができない体験談から視野が広がり、支援を必要とする方たちに寄り添うことや関心を持つことの大切さを実感したとのアンケートも複数頂いております。
講師を務めてくださった田代まさし先生、井上ケイ先生、そしてご参加いただいた会員の皆様には、あらためて感謝申し上げます。
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