【所有不動産記録証明制度】
~添付書類の詳細、上申書の書き方、雑感(専門家向け)~
【所有不動産記録証明制度】
~添付書類の詳細、上申書の書き方、雑感(専門家向け)~
【所有不動産記録証明制度】
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所有不動産記録証明制度ですが、新しい制度ゆえに、法務局の運用や実務上の細かい取り扱いが分かりづらい部分もありましたので、これから請求を検討されている同職の先生方の参考になれば幸いです。
※一般の方向けの制度紹介記事はこちらです
「所有不動産記録証明制度」を活用する~相続登記義務化時代の必須知識
所有不動産記録証明制度の手続き内容は下記に記載されています。
1 基本的な制度説明⇒法務省HP
2 通達⇒令和8年2月2日付け法務省民二第81号通達
3 実務⇒日本司法書士連合会 質疑応答集 20260305 常発172号
公開しているものは文末にリンクを張っておきます。
上記3点を参照すれば請求はほぼ問題なくできると思いますが、実際に請求してみて悩んだ点や対応を挙げていきます。
管轄の指定はなく、全国どこの法務局でも請求(※申請ではなく”請求”)できるようです。私は東京法務局(本局)に請求をしました。
一日でも早く手続きをしたかったので、東京法務局まで行きましたが、どの窓口に請求するのか正直迷いました・・・。商業登記受付ではないことは直感的に明らかだったものの、申請書の形式や請求の文言から、証明書窓口に行きたくなる同職の先生もいらっしゃるかと思います。(私はそうでした)
正解は不動産登記受付です。
添付する請求人の印鑑証明書について、原本還付できない旨は通達に記載されています。
例えば、亡父A及び亡母Bの2人の所有不動産記録証明の交付請求で、相続人である請求人(依頼者)から同時に2件申請する場合、
不動産登記のように連件申請をし、後件に付けるべき印鑑証明書を前件添付扱いにできるのか??
⇒結果としてできました。
(実は初回請求後に改訂版の日司連質疑事項集でこの件が追加記載されました!問い合わせが多かったのでしょうね。)
ちなみに書面請求の場合は、交付請求書の上側余白部分に連件番号を振る、2件目の添付情報欄に印鑑証明書(前件添付)を記載する、で問題ありませんでした。
なお、相続人の戸籍証明や検索対象者の住所証明等は原本還付できるので、こちらも通常の不動産の連件登記と同様の手続きで問題ありません。
被相続人の場合は基本的に住民票除票や戸籍の附票等になると思いますが、死亡から相当の年月が経過している場合はいずれも役所で廃棄されている可能性が高いです。旧来の本籍で登記した場合を除いて、上記いずれも添付できない場合は上申書を付けざるを得ないです。
住民票除票は手に入ったのですが、改製により住居表示前の住所が記載されていなかったので、対象者氏名が記載された役場発行の住居表示実施証明書を添付したところ、旧地番表示の住所証明として問題なく受理されました。
住所証明書を提出することができない場合「所有権の登記名義人と戸籍謄本等に記載された被相続人とは同一である」旨の印鑑証明書付きの請求人の上申書を作成しなければなりません。
ひとつ問題がありますが、上申書に記載すべき正確な住所が不明だと上申書の作成はそもそもできません。当職の場合は、被相続人の自宅や把握していた相続不動産など、何点か過去の登記簿が残っており、その記載住所を参考にして上申書を作成しました(※ちなみに登記簿謄本は住所証明としては使用不可です)。
専門家として、どの程度まで住所遍歴を調べ上げることができるか、どの程度過去の住所まで検索するのか、或いは本籍で登記されていた時代までさかのぼるのか、判断が必要になる場合も出てくるかと思います。
なお、同職の方以外もこの記事をご覧いただくかと思いますが、住所証明書が明らかに期限廃棄されておらず、証明書が通常交付されるものについては、「提出できない場合」には該当しないので、住所証明書の取得が面倒だからといって上申書を付ければいいものではない点については、誤解のないように付け加えておきますね。
一応当職が作成した請求人が相続人である場合の上申書のひな型(東京法務局にて受理済)を置いておきますね。※自己責任でご使用ください
所有不動産記録証明制度 上申書(ひな型)
今回は全国に複数不動産を持たれている被相続人の不動産の洗い出し目的に請求をしました。
結果として、相続人も正確に把握していなかった不動産が検索結果として出てきたので、非常に有効な制度であったとの結論に至りました。
ただし、この検索結果自体は完璧なものではなく、例えば甲区所有者ではない(表題部所有者止まり)の物件については検索対象から外れます。建物に関しては相当数あると思います。また改正不適合物件など、登記簿がコンピュータ化されていない不動産も対象から外れます。考えればキリがないですが、コンピュータ化の際に移記ミスがあり、住所や氏名が異なって登記された不動産も氏名・住所不一致で検索から除外される可能性も出てきます。
結局のところ、相続登記漏れ防止のため、精度の高い相続財産調査を行うには、名寄や、公図・登記簿等の取得、その他の資料による従前どおり多角的な分析は必要になってくると思います。
その前提として「所有不動産記録証明制度」は極めて有効な足掛かりになると思いました。
本制度に関しては多くの利用が見込まれることが予想されますので、今後も注視していきたいと思います。
●基本的な制度説明は法務省HPに記載されています。
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00740.html
●司法書士が見るべき通達民法等の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(所有不動産記録証明書の交付等関係)
(令和8年2月2日付け法務省民二第81号通達)
https://www.moj.go.jp/content/001455600.pdf
●日本司法書士連合会の質疑応答集(会員のみ公開)
20260305 常発172号 所有不動産記録証明書の交付等に関する質疑事項集(改定版)
守谷司法書士事務所
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